次世代システムのグランドデザインはこれだ! “Digital Disruption”時代の情報システム像とは

2015.07.13
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攻めのITを目指すために富士通が提示する現実解

こうしたユーザー企業の期待に対して情報システムに関わるあらゆることを担う富士通は、次世代システムのグランドデザインをどう考えるのでしょうか。富士通の谷口 典彦氏は、まず現在の企業情報システムの課題に言及しました。「企業のIT投資の7割近くが日々の運営に割かれている。大きな原因はサイロ型で構築されたシステムが密結合になっていることがあり、事業環境の変化に対応するために時間と費用がかかっている。それを変えていく必要がある」というものです。東京海上日動や本田技研工業は一歩進んでいるにせよ、多くの企業は谷口氏の指摘通りの状況でしょう。
では具体的にどう変えるのでしょうか。谷口氏は「富士通は、企業情報システムが目指すべき理想の姿(To Be)を提示した。この形にすることが求められるが、しかし現行のシステム(As Is)から一足飛びにToBeに行くことは難しい。As IsとTo Beの間でNext(次の一手)というステージを踏む必要がある。Nextで既存の情報システム群を疎結合化し、新しく構築されるSoEと自在に連携できるようにするのが現実解だ。我々はそのための方法論やノウハウ、ツールを整備している」と話しました。

「攻めのIT」に向けた新しい企業情報システム
図:As Isから To Beへ向かうために Nextを経るという考え方(出典:富士通)

谷口氏はNextの具体例として、システムを全面的に見直し、各種サービスを見える化、ルール化することで、システム資産を6分の1に削減し、大規模システムの開発期間を約30%削減した某通信会社のケースを紹介。Nextに基づくシステム環境の整理統合の効果を明らかにしました。
一方、密結合をほぐし、疎結合化するNextアプローチに対しては、内山氏、宇野氏、宮下氏のパネリスト全員が賛同しました。「日々状況が変わる今日、密結合のままの基幹システムでは変化に柔軟に対応できない。枝葉とコアの部分を分けて考えていくことが欠かせない」(内山氏)というものです。
谷口氏の話は、さらに富士通が新たに発表した「デジタルビジネス・プラットフォーム(DBPF)」に進みます。名前から推察されるように、デジタルビジネスの時代に向けて、2015年に順次リリースされる予定の情報システム基盤です。谷口氏は、この基盤をSoRとSoEの双方の開発・運用に最適なものであると説明し、富士通自ら自社の情報システムをすべてDBPFに移行させつつあると話しました。

「DBPFに当社のシステムすべてをNextに準拠した形で移行する。その多くはSoRに分類されるシステムだが、当然、DBPF上に構築するSoEに分類される新たなシステムと容易に連携できるようになる。SoEはSoRと連携することで大きな効果をもたらすので、DBPF上で両方をシームレスに稼働できる意味は大きい。自らの実践を通じて得たノウハウを、お客様に提供していく狙いもある」(谷口氏)。

しかしプラットフォームがあっても、それだけでSoRのシステムやSoEに属する新しいシステムを構築できるわけではありません。例えば宮下氏や司会の田口 潤氏は「新しいシステム(SoE)は従来の企業IT(SoR)とは異なる。誰がデザインするのか」と異口同音に指摘しました。それに応じて谷口氏が説明したのが、DBPFを生かす新たなインテグレーションのコンセプト”Fujitsu Knowledge Integration”です。
「(内山氏が指摘した)3つの方向性に向かって変革を進めることが大切。そのために富士通のSEが蓄積してきた知見やノウハウ、テンプレートなどのソフトウェア、あるいはお客様とのコラボレーション、ハッカソンによる斬新なアイデア創出などを通じて、インテグレーションを実践する。何よりも富士通には様々な業種のお客様がいる。そうしたお客様同士のコラボレーションもFujitsu Knowledge Integrationにより実現していく」(谷口氏)。

具体的に、Fujitsu Knowledge Integrationが提供する価値は6つあると、谷口氏は語りました。プロジェクトマネジメントやサービスマネジメントなど高度なマネジメントスキル、パッケージやテンプレートなどのビジネスアジリティ、高性能・高信頼のシステム構築/運用力、永続性を保証する安定運用、業種や業務ノウハウを形式知化する人材育成ノウハウ、共創のための技術です。

FUJITSU Knowledge Integrationとは
図:Fujitsu Knowledge Integrationの概要(出典:富士通)

谷口氏は「DBPFの基本はクラウドサービスであるIaaSとPaaS層。実際には、その上に再利用可能な知見やノウハウを埋め込んで皆で活用できるようにする」と話しました。内山氏は「クラウドサービスはすでに数多くあるが、中身がブラックボックスなのが問題。その意味で富士通のDBPFには期待している」と語りました。これを受けて谷口氏は「富士通は、ユーザー企業が攻めのITを実現するためのベストパートナーを目指している。そのために欠かせないのがFujitsu Knowledge IntegrationとDBPF。富士通がやる以上はオープンな技術を取り込み、中身の見えるクラウドにすることを、ここで宣言したい」と意向を表明しました。

司会の田口氏は「米国のクラウドサービスが主流の中で富士通がDBPFを発表したのは、選択肢が増える点でユーザー企業には素晴らしいこと。DBPFの進化に向けてユーザーがリクエストを出すなどコ・クリエーションを進めて欲しい」と話し、パネルディスカッションを締めくくりました。

「攻めのIT」を実現するベストパートナーを目指す
図:攻めのITを実現するベストパートナーを目指す(出典:富士通)

ライター高橋さん

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