世界トップのベンチャー投資ファンド500 Startupsの知識とつながりを、国内初のプログラムが神戸市で8月に開催

2016.07.05
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500 Startups(ファイブハンドレッド スタートアップス)というベンチャーキャピタルをご存じでしょうか。世界で最もアクティブと評されるスタートップ企業を対象にした投資ファンドで、彼らの立ち上げを支援するインキュベーターの機能も持っているのが特徴です。その500 Startupsが神戸市とパートナーシップを締結。2016年夏から、500 Startupsの知見に基づく本格的なアクセラレーションプログラム「500 Startups Kobe Pre-Accelerator」を開始します(写真1)。開始に先駆け2016年6月17日、東京・渋谷のTECH LAB PAAKでプログラムの概要が説明されました。

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写真1:「500 Startups Kobe Pre-Accelerator」の募集ページ

500 Startupsは、米PaypalやFounders Fundに務めたDave McClure(デイヴ・マクルーア)氏が2010年に立ち上げた投資ファンドです(動画)。これまでに米国だけでなく、南米や東南アジア、韓国、トルコ、ノルウェーなど世界50カ国以上で1500社以上に投資し3000人以上の起業家を輩出しました。投資先には、クラウド型通信会社の米Twilioや、マレーシア発の配車サービス会社GrabTaxi、カードの信用情報を提供する米Credit Karmaなど評価額10億ドルを超える企業が含まれます。日本向けファンド「500 Startups Japan」を2016年2月に立ち上げ、みずほ銀行やミクシィをエンジェル投資家とした活動も始めています。

500 Startupsの紹介動画

その500 Startupsが神戸市とパートナーシップを結び、アクセラレーションプログラム「500 Startups Kobe Pre-Accelerator」を2016年8月1日から9月9日にかけて神戸情報大学院大学で開催します。500 Startupsのアクセラレーションプログラムが日本で開催されるのは、これが初めて。同イベントの渉外担当責任者である山下 哲也 氏(山下計画代表取締役社長)が「世界を飛び回る500Startupsのグローバルメンバーが、ここまで1カ所に集結するのは希なこと」と語るように充実した内容が計画されています。

一方の神戸市は、2015年度から社会イノベーションに向けたスタートアップの集積地を目指しています。2016年1月には神戸市の中心にある三宮駅前の複合ビル「ミント神戸」に「神戸スタートアップオフィス」を開設しました。久元 喜造 市長は2015年6月、米サンフランシスコにある500 Startupsを訪ねプログラムの実現に動いてきました。スポンサーとして、三井住友銀行、アシックス、SRCグループ、野村グループ、監査法人トーマツ、神戸情報大学院大学が参画します。

500 Startupsから専門家が来日し最新情報を提供

プログラムの詳細について、500 Startupsのパートナーで神戸開催の総責任者であるZafer Younis(ザファー・ユーニス)氏から説明がありました(写真2)。6週間にわたるKobe Pre-Acceleratorでは、ゴール設定やマーケティングを学んだ上で、最終日に参加チームが成果をプレゼンテーションします。期間中はレクチャーだけでなくマンツーマン形式でのセッションも行われる予定です。第1週から第6週までのプログラムは以下のようになっています。

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写真2:500 Startupsのパートナーで神戸開催の総責任者であるZafer Younis(ザファー・ユーニス)氏

第1週:ビジネスのゴールを設定します。併せて、法律に関してのレクチャーや、ピッチ(新しいアイデアを提案するための短時間でカジュアルなプレゼンテーション)のコーチを招いて最新の経験をインプットする期間が設けられます。プログラムの皮切りとなる歓迎会では参加チームがメンターへ1分間でプレゼンするなど、メンターと十分なコミュニケーションを図るためのきっかけも作られます。

第2週:500 Startupsのディストリビューション専門チームからマーケティング手法を学びます。どのように販売チャネルを広げるかを考えます。

第3週・第4週:第1週と第2週で学んだ内容を元に、新たに目標を設定します。Kobe Pre-Acceleratorのプログラム自体は、ここで一時休止となりますが、この期間に参加チームは各種実装や実験に取り組み、ターゲットへのアプローチに向けて検討します。

第5週:プログラムを再開し、投資家への売り込み技術や資金調達のそれぞれの段階での重要事項、法的義務などを学びます。

第6週:最終日のDemo Dayに向けたピッチを準備します。500 Startupsから来日するピッチのエキスパートからサポートを受け、投資家を引きつけるピッチを完成させます。話し方の技術やピッチの組み立て方、投資家との面接も練習します。

Demo Dayは9月9日、神戸情報大学院大学の地下一階にあるソニックホールで開催される予定です。参加チームは500 Startupsの招待ゲストや投資家に向けたプレゼンテーションに臨みます。

投資ではなく教育のための6週間に

Kobe Pre-Acceleratorではスタートアップに対して順位を付けるようなことはしません。投資家から投資を得られることの約束などもありません。それでも「シリコンバレーに出張した程度では得られない投資家や500 Startupsのメンターとのつながりが得られる」(山下氏)など、知識の吸収が大きな成果になるように考えられています。また、参加した他チームとの交流を促すための交流会などが定期的に催され、500 Startupsのメンバーがコミュニティの形成も支援してくれます。

期間中、参加者は日中のほとんどをメンターたちと過ごし直接アドバイスをもらったり、ランチタイムやフリータイムには多くのメンバーと自由に会話したりできる環境に浸ることになります。500 Startupsのメンバーと知り合うこと自体がスタートアップとしての広がりを期待できます。Kobe Pre-Acceleratorは日本のスタートアップ企業が世界最高水準のメンターの知識を得られる良い機会であり、世界に目を向けさせることになりそうです。

執筆者:奥野 大児(ライター/ブロガー、https://twitter.com/odaiji

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