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数字が語る未来 〜破壊的な変化が日常に 新時代を示すキーナンバー〜

2015.11.05
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ソーシャル(Social)、モバイル(Mobile)、ビッグデータ(BigData)、クラウド(Cloud)。その頭文字から「SMBC」と呼ばれるこれらの技術は、デジタルビジネス時代を象徴する。一方、5万倍、100%超、500億、2045年…といった数字もある。これらはデジタルビジネス時代を理解するための“キーナンバー”だ。

「ICTが経営に影響する? 多少はあると思いますが、必要な投資はしているし大丈夫」「ICTで事業を伸ばせるのはネット企業とか、一般企業ではせいぜい小売業の話でしょ」「ICTも大事かも知れないけど、肝心なのは製品やサービスの優秀さや人だろう」…。ICTについて、こんな疑問や考えを持っている人は少なくないはずだ。
一方で、こう考えている方もいるかも知れない。「スマートフォンだけでなく、ウェアラブル機器とか、あるいは車の情報化とか、消費者向けのICTは次から次へいろいろなモノが出てくるね」「アマゾンや楽天のようなサービスは便利だし、金融サービスや旅行の予約もほとんどネットでできる。どこまで便利になるんだろう」「人工知能とか、学習するソフトウェアができているらしい。ロボットと結びついたら、人の代わりに作業してくれるかも」…。
一体、どちらが正しいのか。正解はさておき、後者の意識を持つことが大切だろう。今はデジタル革命の初期段階だが、すでに多くの変革が起きている。これからもっと多くのことが起きるからである。「その革命は20年以上続く長い旅路だ。今はまだ数年であり、長く見ても6,7年目に過ぎない」(米Goldman Sachsのアナリスト)。ここではいくつかの「数字」を軸に、そのことを考えていこう。

【数字1】5万倍

20年前と比べたICTの価格性能比

「1992年から2012年の20年間に、コンピュータの心臓部であるCPUの価格性能比は何倍になったか?」。この問いへの答を考えて欲しい。10倍、あるいは1000倍だろうか?
CPUはデジタル技術そのものであり、デフレの時代が続いていることから、相当高まったことは間違いない。答はなんと5万倍である。情報を蓄積するストレージ、情報を伝達するネットワークの価格性能比も同様だ。
同じ性能のものの価格が5万分の1になるインパクトは大きい。例えば、5億円だったものが1万円になったことを意味するからだ。ここまで安くなれば広く普及し、用途も広がる。高嶺の花だった自動車電話が携帯電話に、そしてスマートフォンになり、誰もが利用できるようになった。
よく知られていることだが、現在のスマートフォンの性能は20年前のスーパーコンピュータのそれを上回る。身の回りの、オフィスの、工場の、公共インフラの、様々なところにICTデバイスが装備され、ネットにつながっている。
量だけではない。質=社会やビジネスのあり方も確実に変わる。交通機関のチケットを窓口で買う機会は激減した。金融商品も同じ道を辿っている。しかもまだ始まりに過ぎない。ICTの費用は加速度がついてゼロに近づいていく。そうなれば何が起きるだろうか?

【数字2】100%超

世界のモバイルデバイス普及率

2014年、スマートフォンを含むモバイル機器の普及台数は、世界人口73億人に対し単純計算で1人1台を上回った。大半がフューチャーフォンと呼ばれる従来型の携帯電話。それでもアフリカではケニアを中心に、資金送金や決済手段として、携帯電話を使ったサービス「M-Pesa」が広がる。携帯がお金の流れを変えつつある。ネット接続が可能なスマートフォンの普及も急ピッチだ。2000円も出せば買える格安スマホのおかげもあって、2013年には25億台に達した。
こうしたデバイスの普及が従来の常識を変える。有名な話がある。米国の有力大学は競って、誰もが無料で参加できるオンラインの講座「MOOC(ムーク)」を提供している。そんな中、米マサチューセッツ工科大学(MIT)のMOOCでモンゴルの高校生が満点を獲得した。MITは奨学金付きで彼を招聘し、教育・研究にあたらせている。
「73億人の中には天才も秀才もいる。仮に0.1%(1000人に1人)としよう。モバイルはそうした人材の発掘を可能にする。それを実践した企業や国が優位に立つことは間違いない。なぜ皆がもっとエキサイトして取り組まないのか不思議」(米XPRIZE財団CEOのPeter Diamandis氏)との見方が広がっている。

【数字3】500億台

2020年にネット接続される機器

身近なところでは、照明や空調、エレベータ、自動車。あるいは電車・旅客機や医療機器、発電機…。これらの装置や機器がインターネットに接続されることを、IoT(Internet of Things=モノのインターネット)と呼ぶ。2020年までに、その台数は500億台に達すると見られている。その経済効果は3兆ドルに達するという数字がつく。
例えば、自分のスマートフォンや身につけている情報機器から空調や照明を制御できる。壁にあるスイッチやリモコンとはおさらばだ。言い換えれば、部屋に入れば自動的に照明がオンになり、室温は好みに設定される。意識する必要がない。たいした話ではないように思えるが、こうしたことが人、組織、企業、社会のあらゆるところで起きる。世の中は大きく変わっていくだろう。

【数字4】2045年

人工知能が人間の知能を超える時

コンピュータは一見、知的な処理をしているように見えても、所詮は人間が開発したプログラム(ソフトウェア)に沿って処理をこなしているに過ぎない。どんなに機能が増えようと、性能が向上しようと、人間のように思考したり、発想したりすることはできない──。現時点では、これは正しいが、いつまでもそうだとは限らない。
冒頭で見たようにコンピュータは加速度的に進歩している。人間の脳を真似た「ディープ・ラーニング」と呼ばれる仕組みの研究開発が進む。結果として、30年後の2045年頃には、コンピュータが人間の知能を超えるという予測がある。これまでの科学の延長線上では不可能だったことが突然、可能になるかもしれない。技術的に、それ以前とは異なる「特異な状態」になることは「シンギュラリティ(特異点)」と呼ばれる。
現実にコンピュータが人間を超えられるかどうか現時点では不明だが、人間にしかできないことを置き換える方向に技術が向かっていることは確かだ。そうした技術の成果を取り入れ事業を進化させられるかどうかは、大きなテーマである。

【数字5】3億人

米Amazon.comの顧客数

1997年、米Amazon.comのアクティブな顧客数は150万人だった。2年後の1999年には1000万人を超え、2009年には1億人を超えた。2015年には3億人を超えることは間違いない。売上高も年率30%前後の高い成長を続ける。2004年の69億2000万ドルから、2014年には889億9000万ドルに達した。従業員数は13万2000人(2014年7月時点)だ。日本最大の小売業であるセブン&アイ・ホールディングスの売上高は6兆389億円(2015年2月期)だから、それを軽く上回っている。ちなみにAmazon.comの日本事業の売上高は2014年に79億1200万ドル(120円で計算すると9494億4000万円)だった。
一方で世界最大の小売業である米Wal-Mart Storesの4856億5000万ドル(2015年1月期)とは比べるべくもない。Amazonが今後も年率30%という高成長を維持できる保証もない。だとしてもその成長と同社の技術力はネットを含めた小売業にとっては脅威だろう。

進化する新ICTを事業に生かすために

ほかにも「Googleへの検索数は1日あたり30億件」「2020年に人類が生み出すデータ量は20ゼッタバイト(ゼッタバイトは10の21乗)に達する」といった数字もある。その中にいると見えにくいが何か大きな変化が起きているのは間違いない。

となれば問題は、この変化にどう対応し、あるいは自らの事業に生かせるのか、である。それができなければ変化の波に飲み込まれかねない。よく言われるように、“破壊的な変化が日常(Disruption is New Normal)”になる中で、破壊する側に回るか、破壊される側に回るかは大違いだ。そして破壊する側に回るには、それなりの手立てが必須になる。進化するテクノロジーを取り込めるようにし、経営や事業に貢献、あるいはそれらをリードする情報システムだ。

itL_taguchi

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