デジタルビジネス時代の共創を生み出す インテグレーションとDBPFを力に

2016.01.12
リスト
このエントリーをはてなブックマークに追加

顧客企業との強い関係性が新たなICTの活用でも強みに

──もう少し詳しくDBPFの利点や優位性を教えて下さい。

谷口 まず今後、既存システムをクラウドに移行したり、その上で業務システムを構築したりする動きが広がってきます。当然、オンプレミスと同等の信頼性を確保し、クラウドならではのコスト感やユーザビリティを提供する。中でもユーザビリティはとても大事で、これが1つの勝負になります。
例えば富士通には医療業界向けのパッケージがあります。それをDBPF上に乗せてマルチテナントによって稼働させる。中小規模の病院はそれを利用することで、病院の業務システムの領域を容易に革新できるようになります。
一方、最新のICTを生かした新しいアプリケーション、あえてクラウド・ネイティブのアプリケーションと呼びますが、そこではインターネット上にある多種多様なサービスを利用する世界が展開されるようになります。つまり他ベンダーのクラウドサービスや、さまざまな場所に分散されているデータを集約して1つのサービスとして統合していくような、「クラウドインテグレーション」が不可欠となるんです。DBPFはそれをサポートします。
その先駆例として現在、食品業界における需要予測を可能とするプラットフォームを構築しています。実現すれば従来をはるかに上回る精度で簡単に市場予測が行えるようになります。そうしたことがすべての業種で行えるようになるほか、業種業界を横断した知見を共有することで新たなビジネスを生み出すプラットフォームとしての可能性も有しています。

──つまり既存システムの高度化も、新しいアプリケーションの開発もDBPFでサポートする?

谷口 その通りです。既存の業務システムの領域で確固たる強い基盤を確立する一方、クラウド・ネイティブの領域でも富士通が選ばれるようにする。そのためのDBPFです。それだけではありません。富士通がこれまで手掛けてきたシステムは日本全国のありとあらゆる業種を包含しています。欠けている業種は1つもなく、しかも、それぞれの業種においてかなりのレベルまで深耕しています。そこで得られた知見を何らかの形でDBPFに乗せ、他のベンダーとは違うサービスを可能にすることを考えています。DBPFは単なるクラウドインフラではなく、富士通の強みである幅広い知見、我々は「ナレッジインテグレーション」と呼んでいますが、それを実装したものでもあります。業種業界で共通化が可能な認証や課金といった機能を提供するだけでなく、プラスアルファの価値も提示できるようにしていきます。

──しかしそうした差異化策があるとしても、クラウドの技術革新のスピードは速く、海外のクラウド事業者は常に1歩も2歩も先を行っています。

谷口 確かにそこは一番努力が必要なところです。インフラとアプリケーションの両方について、技術革新のスピードを高めていきます。グローバルでビジネスを展開している中で得られたノウハウを集約し、DBPFの機能拡張を継続して進めていきます。

新時代に対応した人材育成にも注力

──なるほど。一方で人材面はいかがでしょう。DBPFを生かし、これまでにないサービスやビジネスを創造するには、従来とは違ったマインドを持ったSEが不可欠ではないかと思います。

谷口 非常に重要な指摘で、色々と取り組みを始めています。一例を挙げると企画部門のメンバーを中心にハッカソン(Hackathon)を展開しています。常識に囚われず、新しいアイデアを創出する取り組みですね。最近では情報システム部門に加えて、現業部門とやりとりするSEも増やしています。現場の方々との対話を積み重ねることで、ビジネスに関するスキルやノウハウも高めるんです。そうした取り組みを進めていく中で“共創”が生まれると考えています。実際、従来とは違う新しいことをやりたい、そのアイデアも持つ現業部門の方々は少なからずいらっしゃいます。富士通が支援できることは沢山ある。その一方で、お客様が新規事業を進めていくに当たっての考え方や実践法を富士通内部にも取り込んでいきたいと考えています。

──これまでとは違うポジションに就け、違うやり方で仕事をしてもらうと?

谷口 はい。入社10年目以上の、ある程度のノウハウ、スキルを積み上げているSEを対象として現在、意識の転換を図っています。富士通のSEは、長年、多くの企業の基幹システム構築によって鍛えられており、彼/彼女らを新しい仕事にチャレンジさせることで相当に強力なエンジニアになると確信しています。富士通は約2万7000人のSEを擁していますが、まずは2000人ほどをデジタルビジネス時代に対応可能な、ICT技術にもビジネスにも精通したエンジニアとして育成するのが目標です。

──具現化に向けた取り組みに注目していきたいと思います。本日はありがとうございました。
taniguthi
聞き手:IT Leaders編集主幹の田口潤

EVENTイベント