2017年に販売されたスマートスピーカーは2400万台以上、ミレニアル世代が牽引

2018.06.26
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IoT(Internet of Things:モノのインターネット)やAI(人工知能)といったテクノロジー、あるいはネットビジネスやスマートホームなどの活用分野のいずれにおいても最近、急速に注目を集めているのがスマートスピーカーでしょう。「もうディスプレイはいらない。これからは音声だ」といった議論まであるほどです。日本でも2017年に「Amazon Echo」が発売されました。先行する米国のスマートスピーカー事情を、いくつかの調査結果から探ってみます。

Amazon Echo v.s. Google Homeの一騎打ち

音声対応アプリケーションを使ったブランディングやマーケティングなどを支援する米XappMediaが、さまざまな調査結果などからまとめた資料によれば、2017年に販売されるスマートスピーカーの台数は2400万〜2800万台です(図1)。米Amazonのスマートスピーカーである「Amazon Echo」の販売台数が1900万〜2200万台という調査結果や、2000万台以上は米国家庭への導入とする調査結果もあります。


図1:スマートスピーカーに関する各種の調査結果

一方で、米GoogleのAI(人工知能)アシスタント「Google Assistant」は1億台のAndroid端末で動作しており、スマートフォンユーザーの場合は半数近くがGoogle Assistantを利用しているとの調査結果があるようです。このGoogle Assistantを搭載するGoogleのスマートスピーカーが「Google Home」です。

市場調査会社のeMarketerによれば、米国におけるスマートスピーカーの市場シェアは、Amazon Echoが70.6%を占め、Google Homeのそれは23.8%です(図2)。その他は5.6%しかありませんから、先行するAmazon EchoをGoogle Homeが追う形です。


図2:米国におけるスマートスピーカーの市場シェア

スマートスピーカーの利用者を年代別にみると、ミレニアル世代(1981年〜2000年生まれ)が圧倒的に市場を牽引しています(図3)。月に1回以上、スマートスピーカーなど音声アシスタントを使う利用者数は、2016年に4530万人でしたが、うちミレニアル世代が2330万人とほぼ5割を占めます。

これが2019年には、スマートスピーカの利用者数は6660万人にまで増え、うちミレニアル世代は3930万人と6割近くを占めると予測されています。この間、ジェネレーションX世代(1965年〜1980年生まれ)の利用者数は微増、ベビーブーマー世代(1945年〜1964年生まれ)は、ほぼ横ばいで推移するとみられています。


図3:米国で月に1回以上、スマートスピーカーなどの音声アシストを使う利用者の数

Amazon Echo用アプリ「Alexa Skill」が急速に増加

2000万台を超えるスマートスピーカーは、どのように利用されているのでしょうか。ネットの利用動向調査などを手がける米comScoreによれば、Amazon Echoの使われ方で最も多いのは「一般的な質問」です(図4)。それに天気の確認、音楽の試聴が続きます。モノやサービスを音声で発注するという使い方は、利用者の10%前後にとどまっています。


図4:Amazon Echoの使われ方

こうしたAmazon Echoの使い方を支えているのが、Amazonの音声アシスタント「Alexa」を使ったアプリケーションプログラムです。これを「Alexa Skill(スキル)」と呼びます。voicebot.aiの調査によれば、2016年11月時点のAlexa Skillの数は5191件でしたが、約1年後の2017年12月15日には2万5018件にまで増えています(図5)。


図5:Amazon Echoのアプリケーションプログラム「Alexa Skill」の流通数

ただし、2017年9月時点に2万件あったAlexa Skillのうち、62%には利用者による評価がなされていません。おそらく、ほとんど使われていないと考えられます。1000件を超える評価を得ているSkillは4つしかありませんでした。

一方、Google Assistant用のアプリケーションプログラムは、2017年12月時点で1766件と、Alexa Skillほどの数はありません。その内訳を見ると、最も多いのはゲームなど娯楽用がダントツです(図6)。それ以外では、教育やホームオートメーションのためのアプリケーションが多く、Amazon Echoでは利用者数が多い天気の確認用のアプリケーションは34件でした。


図6:Google Assistantの使われ方

スマートホームとの連携がカギ?

いかがでしたでしょうか。こうした数字を見ると、やや期待先行といった感は否めません。ただ、comScoreの調査によれば、米国の家庭におけるスマートスピーカーの普及率は、2017年6月が8%、その後2017年11月までに12%にまで伸びましたが、2017年12月に17%にまで上昇し、2018年2月には20%に達しています。

家庭に設置されたスマートスピーカーは、照明をコントロールするスマートライティングや室温をコントロールするスマートサーモスタットといったデバイスと連携する可能性が高いとされています。

スマートスピーカーが今後、どんなデバイスと連携していくのか。そのためのAlexa Skillのようなアプリケーションを誰が開発し普及させていくのか。市場が動くのは、これからです。

執筆者:丁 晟彦(Digital Innovation Lab)

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