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Facebookの利用者が1日10億人を超えるなか、日本のソーシャルメディア利用時間は主要国で最下位

2016.03.22
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Facebookの1日の利用者数が10億人を突破──。Facebookの開設者であり現CEOのマーク・ザッカバーグ氏が2015年8月25日、自身のブログに、こう投稿しました。Facebookがサービスを開始したのは2004年のこと。当初は米国の学生に向けた限定サービスでしたが、2006年9月から一般に開放されています。日本版が登場したのは2008年です。

7人に1人が毎日Facebookで友達や家族とつながる

Facebookの利用者数の拡大は凄まじいものがあります。月間の利用者数が10億人を突破したのが2012年10月のこと。そこから約3年半の間に1日の利用者数が10億人を超えたのです。これがどれだけインパクのある数字なのでしょうか。世界の総人口は約74億人ですから、総人口のおよそ7人に1人がFacebook上で友達や家族とつながっているという計算になります。

そうした背景から、企業もプロモーモーションなどを展開する上で、ソーシャルメディアはとても重要なメディアだとの認識を強めています。Coca-Cola やNike、Red Bullといったグローバル企業を筆頭に、多くの企業がFacebookを使った広告を積極的に展開しているのは、そのためです。

この動きはFacebookに限ったわけではありません。TwitterやLINEをはじめとする他のSNS(Social Networking Service)においても、利用者数の拡大は右肩あがりの傾向が続いています。

ソーシャルやモバイルの利用について研究する「We Are Social Singapore」の調査によると、Facebookの月間アクティブユーザー数は15億9000でトップです(図1)。「Facebook Messenger」(4位:8億6000)やFacebook傘下のWhat app(2位:9億)も含めれば、Facebookは圧倒的なシェアを獲得しています。

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図1:ソーシャルメディアの世界のアクティブユーザー数(出典:『Digital in 2016』、We Are Social Singapore)

アジアに限ればFacebook一辺倒は崩れる

一方、3位のQQと5位のQzoneは、「聞いたことがないサービスだな」と思った方が多いかもしれません。いずれも中国独自のSNSで、前者は中国版のSkype、後者はブログサービスです。中国ではFacebookやTwitter、Googleといった米国発のインターネットサービスの利用が制限されており、中国独自のインターネットサービスが利用されています。つまりQQもQzoneも中国1国だけで、この位置を占めているのです。アジアに限ればFacebook一辺倒とは言えません。

これは日本でも同じです。日本でナンバーワンの座を獲得しているのはLINE(25%)です(図2)。2位がFacebook(17%)、それにTwitter、Mixiが続きます。ただ、こうした状況になったのは、2016年に入ってから。それまではTwitterとFacebookが上位を占めていました。

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図2:アクティブユーザー数で見たソーシャルメディアの日本おけるシェア(出典:『Digital in 2016』、We Are Social Singapore)

なぜ日本ではLINEがシェアを伸ばしているのでしょうか。理由はいくつか考えられます。1つは、日本人が企画・開発されたサービスのため、日本語対応が完璧だったことです。第2はスタンプ機能でしょう。テキストを打たずにスタンプだけで自分の気持ちを伝えられる、この仕組みは、LINEの主力ユーザーである若年層に受け入れられました。Facebook Messengerも2014年には「ステッカー(スタンプ)」の送信機能を追加しています。

もう1つは、SkypeやWhat appなど他のソーシャルメディアが持つ便利な機能は積極的に採り入れていることが挙げられるでしょう。無料通話(Skypeと同様)や、自分の電話帳(アドレス帳)に登録している友達がLINEを利用していると友達リストに自動的に反映される(What appが先に採用)といった機能です。複数のアプリケーションを使い分けなくても良い点が支持されているのではないでしょうか。

インターネット/SNS利用時間、日本は主要30カ国で最下位

広く普及してきたソーシャルメディアですが、その使用頻度を見ると、また様相が違ってきます。主要国30国の中で、人口当たり使用率が最も高いのは韓国(図3)。人口が世界1位(13億人)の中国は17位、人口2位(12億人)のインドは29位となり、普及はこれからの段階です。韓国は人口当たりのインターネット普及率が92.3%(internetWorldStats.com調べ)とアジアで最も高いことが影響しているかもしれません。

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図3:国ごとに見たソーシャルメディアの人口当たり使用率(出典:『Digital in 2016』、We Are Social Singapore))

一方、日本はというと、人口当たりのインターネット普及率は90.6%と韓国にせまるものの、ソーシャルメディアの使用率は42%で21位どまりです。実は日本では、ソーシャルメディアはそれほど活用されていないのが実状です。図4のソーシャルメディアの1日当たりの使用時間を見ても、主要30国の中で日本は0.3時間で断トツ最下位の30位。インターネットの使用時間についても同様に、主要30国で最下位になっています。

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図4:国ごとに見たソーシャルメディアの1日当たり使用時間(出典:『Digital in 2016』、We Are Social Singapore)

日本のネット利用は音声/メールのやり取りが中心

なぜ日本は使用時間が短いのか。スマートフォンなどのモバイルデバイスの用途を見てみると、日本ではメッセージング利用者が25%で最多ですが、ビデオ閲覧は9%、ゲームが13%、モバイルバンキングが10%、地図サービスも18%に留まっています(図5)。これに対し例えば米国では、最も利用者が多いのが地図サービスの38%。メッセージングも34%、ビデオ閲覧とモバイルバンキングが31%、ゲームは28%と、いずれも高い値を示しています。

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図5:モバイルデバイスの使用時間の日米の違い(出典:『Digital in 2016』、We Are Social Singapore)

つまり日本では、ソーシャルメディアやインターネットは人とのコミュニケーションツール、すなわち音声やメールのやり取りだけに使用していることが影響していると考えられます。その背景には、日本が抱える少子高齢化問題が陰を落としているとも指摘されています。

世界的にソーシャルメディアやインターネットは、動画閲覧やショッピング、バンキングなど生活のあらゆる情報を入手するために利用されています。今後、日本でも、そうした用途にソーシャルメディアやインターネットが利用されるようになれば、使用時間はもとより、ソーシャルメディアのシェアにも変化が表れるかもしれません。

執筆者:若松 正樹(Digital Innovation Lab)、中村 仁美(フリーランスライター)

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