米配車サービス大手Uberの2016年上半期は1300億円の赤字、それでも企業価値は7兆円

2016.09.01
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米配車サービス大手でユニコーン企業の筆頭であるUber Technologiesの業績が明らかになりました。米bloombergの報道によると、Uberの2016年第2四半期のEBITDA(減価償却前営業利益)は7億5000万ドルのマイナス、第1四半期も5億2000万ドルの損失でした。第1四半期に黒字だった米国内の事業も第2四半期には1億ドルのマイナスになり、赤字幅が拡大。上半期だけで合計12億7000万ドル、日本円で約1300億円を失ったことになります。

動画1:Uberのコンセプトビデオ

記事では、同社事業が赤字である主な要因は、Uberの登録ドライバーに対するSubsidies(助成金)としています。加えて、海外事業が業績の足を引っ張っているほか、基盤とする米国内でも競合相手Lyftとの価格競争が激しくなっています。Uberが損失を出すことは珍しいことではなく、2015年には少なくとも20億ドル、2009年の創業からの7年半では40億ドル以上の損失を出しているとみられます。

未上場であるUberの企業価値は690億ドル(約7兆円)。ベンチャーキャピタルの投資額から算出されたものですが、10億ドル以上の企業価値を持つユニコーン企業の中でも突出しています。このままIPO(株式公開)すれば、米国市場では3番目に大きく、また世界でもTOP10に入ります。こうした巨額の価値に対して懐疑的なニューヨーク大学の教授は記事中で、「これほど巨額のお金をこれほど短期間に失えるテクノロジー企業は多くない」とコメントしています。

多額の損失があるからといってUberの先行きが厳しいという評価は早計でしょう。記事によると配車サービスの利用そのものは好調であり、第1四半期の38億ドルが第2四半期には50億ドルへと大きく増加しています。Uberの収入も9億6000万ドルから11億ドルへと18%も伸びました。特に「Uber pool」という料金が安くなる相乗りサービスが好調だったようです(動画2)。赤字圧縮にも乗り出しています。2016年8月には大きな赤字の原因だった中国事業を、競争相手である滴滴出行(Didi Chuxing)に売却するなどしました。

動画2:「Uber Pool」の仕組みの紹介

そもそも、最近でこそ安定して黒字を計上する米Amazon.comも投資先行型。長期にわたって毎年、赤字を計上し批判を浴びてきました。巨額の投資資金を原動力に収益よりも市場シェア獲得を最優先し、そのためには尋常でない赤字も厭わない−−。これが米国ベンチャーの定石の1つなのかも知れません。

執筆者:Digital Innovation Lab

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